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信用組合にも破綻リスクがある!組合員を守る仕組みをご紹介します。

信用組合と組合員を破綻リスクから守るための仕組みとして、全信組連の3つの支援制度と預金保険機構による定額保護について解説しました。リスクヘッジのために、これらの情報を適切に把握しておくとが重要です。

リスクヘッジに大切な信用組合を破綻から守る制度

信用組合が抱えるリスク
世界情勢や経済環境が目まぐるしく変化する昨今では、企業や組合の破綻は決して珍しい話ではありません。
しかし信用組合業界では、信用組合の破綻などを防ぐ仕組みや万が一の破綻に備えて組合員の預金を保証してくれる仕組みが整備されています。
本記事では、そんな信用組合と組合員を破綻リスクから守るための仕組みについて解説していきます。

 

 

1. 信用組合を破綻から守る仕組み

信用組合の中央金融機関である全国信用協同組合連合会(全信組連)は、信用組合の健全性の確保と信用組合業界全体の信用を強固にするために、3つの財政上の支援制度を創設しています。

 

1.1. 信用組合保障基金制度

3つの支援制度の中で最も歴史のある制度で、1969年に創設されました。
信用組合が基金への積立を行い、合併などを行う信用組合に対して資金援助を行う制度で、積立残高は目標額1,000億円に対して2020年11月末時点で約1,004億円です。

 

1.2. 信用組合経営安定支援制度

全信組連が信用組合および全国信用組合中央協会と共同で創設した制度で、信用組合の健全性を維持する機能を果たしています。
「モニタリング制度」「監査・指導制度」「資本増強支援制度」の3つの制度で構成。

 

資本増強支援制度では、全信組連が資本増強支援を希望する信用組合に対して支援の実行と経営状態の管理および指導をしています。

 

1.3. 合併支援資金制度

信用組合が合併した後も安定した経営状態を維持できるように資本増強支援と資金援助を提供している制度です。

 

2. 組合破綻から組合員を守る仕組み

組合員同士の助け合いの精神
全信組連が提供する充実した支援制度を持ってしても、信用組合の破綻リスクをゼロにすることはできません。

 

仮に信用組合が破綻してしまった場合でも、預金保険機構の預金等の定額保護によって組合員の大切なお金は守られています。
当座預金などの決済用預金は全額が保護されますが、利息のつく普通預金や定期預金などは信用組合ごとに合算して1人当たり元本1,000万円までと破綻日までの利息等のみが保護の対象です。

 

しかし、利息のつく普通預金や定期預金のうち保護の範囲を超える部分に対しても、「預金者からの相殺」と「預金等債権の買取り」によって一部返還を受けることが可能です。

 

「預金者からの相殺」とは、預金者が破綻した信用組合から借入を行っていれば、預金と借入金を相殺できる仕組み。

 

もう一つの「預金等債権の買取り」は、定額保護対象外の預金部分に預金保険機構が算出した概算払率を乗じた金額を同機構が買取る形で預金者に支払う仕組みです
預金者にとっては、破綻した信用組合の法的倒産手続が終わるのを待つことなく、早期に預金を受け取ることができるメリットがあります。

 

 

3. まとめ

本記事では、信用組合と組合員を破綻リスクから守る仕組みとして、全信組連の3つの支援制度と預金保険機構による預金等の定額保護について解説しました。
世の中には絶対に破綻しない企業は存在せず、信用組合も例外ではありません。
企業や組合が保有している破綻リスクを正確に把握して、適切なリスクヘッジの仕組みを構築することが大切です。

 

今回紹介した仕組みの内容を踏まえて、自分に合った信用組合との付き合い方を考えてみてはいかがでしょうか。