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相互扶助の考え方を知って、信用組合の理念や行動綱領を理解しましょう。

信用組合の理念と行動綱領は、互いに助け合うことを意味する「相互扶助」という考え方を根幹としています。本記事では、相互扶助の詳しい意味とそれに基づいた信用組合の基本理念・10の行動綱領を紹介していきます。

信用組合の基本理念「相互扶助」は意外と身近な考え方

助け合うビジネスマンのイメージ
相互扶助という言葉の意味を知っていますか?
あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、実は私たちの暮らしを支えているとても大切な考え方です。

 

そして信用組合について理解を深めるうえでも、その根幹にある相互扶助の考え方を正しく知っておく必要があります。
本記事では、相互扶助の観点から信用組合の基本理念と行動綱領について解説していきます。

 

 

1. 相互扶助とは

相互扶助とは、言葉通り「相互」に「扶助」すること
お互いに助け合う考え方を表しています。

 

私たちは会社や学校、住んでいる地域など所属しているコミュニティーでお互い支え合いながら生活をしていると思います。

 

そして重い病気になった人や高齢者のためにお互いにお金を出し合う保険制度や年金制度は、私たちの生活を支える重要な社会基盤システムです。
このように相互扶助は、私たちにとって非常に身近で大切な存在だと言えるでしょう。

 

2. 信用組合の基本理念

 

手を重ね合わせるビジネスマンたちのイメージ

 

信用組合の基本理念の根幹には相互扶助があります。
信用組合が定義する相互扶助とは、社会福祉的な弱者同士の扶助ではなく、自助のために相互に協力し、同時に自立した者同士が協同すること
組合員一人ひとりがお金を預け入れて、資金を必要とする組合員に対して適切な審査のもとお金を貸し出すことでお互いに助け合う組織が信用組合なのです。

 

最近では社会や経済の構造的な変化を踏まえて、組合員同士の資金融通による相互扶助に限らず、組合員へのコンサルディングなど新しい形式の助け合いや信用組合間の相互扶助などにも取り組んでいます。

 

3. 信用組合の行動綱領

信用組合が相互扶助の理念に基づく協同組合の金融機関として、組合員や所属するコミュニティの期待に応えて信頼を築くために定めているのが、下記の10の行動綱領です。

 

(1)信用組合の持つ公共的使命の重みを常に自覚し、健全な業務運営の遂行を通して揺るぎない信頼の確立を図る。
(2)経済活動を支えるインフラとしての安定的な機能提供とサービスの高度化に向けた不断の創意と工夫に努め、お客さま本位の業務運営を通じて、お客さまのニーズに応えるとともに、市民生活や企業活動に脅威を与えるテロ、サイバ
ー攻撃、自然災害等に備え、セキュリティレベルの向上や災害時の業務継続確保などお客様の利益の適切な保護にも十分配意したキメ細かい金融サービスの提供を通じて、内外の経済・社会の発展に貢献する。
(3)あらゆる法令やルールを厳格に遵守し、社会的規範にもとることのない、誠実かつ公正な組織運営を行う。
(4)経営等の情報の積極的、効果的かつ公正な開示をはじめとして、幅広く地域社会とのコミュニケーションの充実を図る。また、信用組合を取り巻く幅広い利害関係者と建設的な対話を通して、地域社会からの理解と信頼を確保し、自らの存在価値の向上を図る。
(5)すべての人々の人権を尊重する。
(6)多様な人材の活躍を促進する制度や柔軟な働き方を実現する。また、健康と安全に配慮した働きやすい職場環境を確保する。
(7)人材育成や能力開発に積極的に取り組み、職員の自律的なキャリア形成を支援する。また、金融経済教育への参画等により、社会の金融リテラシー向上に貢献する。
(8)地球環境や社会情勢の変化等への耐性の高いサステナブルな環境・社会の構築に向け、主体的に行動する。
(9)信用組合が地域社会の中においてこそ存続・発展しうる存在であることを自覚し、地域社会とともに歩む「良き市民」として、積極的に社会に参画し、その発展に貢献する。
(10)社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力は、これを断固として排除し、関係遮断を徹底する。また、国際社会がテロ等の脅威に直面している中で、マネー・ローンダリング対策およびテロ資金供与対策の高度化に努める。

 

引用元:信用組合の行動綱領

 

4. まとめ

本記事では、相互扶助の意味と相互扶助に基づく信用組合の基本理念と行動綱領を解説しました。
昨今の急速なグローバル化やデジタル化など社会・経済環境が目まぐるしく変化する中、信用組合はその変化に対応するため金融・非金融の垣根や組合の垣根を越えたサービスを提供しています。

 

しかしその根本には、変わることのない相互扶助という考え方があることを覚えておいてください。